東京家族
監督:山田洋次
結局東京家族まだ観れてないけど、ムーンライズキングダムとか脳男とか始まったし諦めようかな・・・と思ってるそこのアナタ。東京家族、ぜひ観てください。
誠に恥ずかしいのですが、映画業界にいながら山田洋次作品は一本も観たことがありませんでした。ってことで、これが俺の山田洋次映画初体験。
これがよかった。本当に。誰かの物語なんだろうな、きっと。
映画の感想や評価は、鑑賞時の状態が必ずしも影響する。それは場所だったり、年齢だったり、タイミングだったり、誰と観たか、それら心理状態。この東京家族はモロにそれが作品に影響する。直撃。
2012年の日本に生きている人は、この映画を観て何かを思い出さずにはいられないのだ。家族、友達、恋人。十年毎に観たい。
でも、この映画の真のストライクゾーンは確実に若者である。しかも、独身の男。つまりは妻夫木聡なんだけど。
名作小津安二郎監督の『東京物語』のリメイクということで、かなり構えてたけど全くそんなことは必要なかった。むしろ、リメイクということを逆手にとった演出が多く、今じゃ考えられないおもてなし、台詞回し、構図、編集のテンポを楽しめる。リメイクというよりオマージュに近いのではないだろうか。久石譲の音楽もキメのところでバチっとくるのがたまらんのです。泣ける映画でも泣かせる映画でもないのも好印象。
山田洋次監督の五十年が詰まってるとかじゃないんですけど、やっぱり監督はこの映画に色々込めてました。橋爪さんの「○○、こんなんになってしもうた」という台詞は自分のことを言ってるのかなとか思ったりして。集大成というより「映画を五十年続けてきた今俺はこれを撮った。これを観てお前はどうする?」と言われてるみたいな。
監督とは一度お会いしてご飯食べたことあるけども、とうの昔の話。業界入って二年しか経ってない自分のクソガキっぷりを実感です。
主演の橋爪さん、本当におじいさんにみえたなあ・・・今度会ったら素晴らしかったですって伝えよう。
『東京家族』は自分の状態が影響する〜とか書きましたが、俺の鑑賞時のこの映画に影響を与えたポイントを書き出すと、親父いない、友人が震災の被害者、社会人一人暮らし、映画業界にいる、一人っ子、独身、去年東京でスカイツリー見た、等々。極めつけはこの映画を元カノと観たってこと。まさに、現代の若者炸裂な状態で観たんですよ。だからこそ、思う存分この映画を楽しむことが出来ました。
あ、わたくし、東京物語は未見です☆
PS.完全に予想外でしたが、あの西田麻衣ちゃんが出てます。ありがたいおっぱいでした。おっぱい。ありがとう。