-オナルプスの手違い-

映画の感想やら日記やら告知やら。基本的にネタバレなし。

ムーンライズ・キングダム

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監督:ウェス・アンダーソン

 
予告から面白そうな匂いをプンプンさせてたが、それを全く裏切らず、遥か上をいくウェス・アンダーソン節炸裂の暴走系恋愛映画。
 
あらすじは、サムとスージーが駆け落ちするところから始まる島の騒動。それだけ。
 
シンプルをいかに斬新に見せられるかが映画の面白さの基本であり一番の課題。この映画は大成功です。大成功。
 
監督の演出は全て成功していた。キャスティング、ロケーション、美術、キャメラ、編集、音楽、どれをとっても最高。徹底した世界観の描き方が作品への熱意を感じさせる。
 
それでもやっぱり特に演出が光りすぎている。てっきりただのオシャレ映画かと思わせながら、12才の子供の純粋な気持ちから生まれる突飛な行動が観客を常にハラハラドキドキさせるのだ。そんな子供たち、その周りで翻弄される大人を使ってウェス・アンダーソンが仕掛けるバイオレンスやエロス、ほろ苦さの配分が絶妙。
 
そしてもう一つ。エンドロールが素晴らしい!エンドロールのあとに何かがあるのではなく、エンドロールが素晴らしい。まさに、映画の頭からケツまでウェス・アンダーソン尽くし。彼の世界のまま最後まで映画を体感出来る。エンドロールの終わりこそ、本当の映画の終わり。こだわりです。最後の一秒までこだわり。
 
これ、2013年を代表する作品になるんじゃないかね。感動して泣ける映画だけが傑作じゃないんだよ。ほんと。これだよ。これ。これ!!!
 

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悔しいが、ウェス・アンダーソン監督はこんなにおしゃれでイケメンである。クソッタレ。最高。