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-オナルプスの手違い-

映画の感想やら日記やら告知やら。基本的にネタバレなし。

だいじょうぶ3組

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監督:廣木隆一

 

間違いなく今年の問題作の一つになったこの映画。予告で感動を推しているのに、中身は浅い感動を狙った演出が全体を占めるが、手も足もない先生を演じる乙武さんが爆走したりサッカーしたりするところを躍動感溢れる手持ちカメラで狙うショッキングな映像が入り乱れる怪作である。

 

意識高い系小学生なら観たくなるんだろう。俺の席の後ろには親と一緒に来た小学校高学年くらいの女の子がいた。劇中でクラスの女の子が不登校になってしまい、その子の家に乙武さんが尋ねる場面があるのだが、そこがすんごいのだ。

家の二階の自分の部屋で引き篭っている教え子の元へ、乙武さんはソファから飛び降り部屋を爆走し階段をゴリゴリと登っていく。それを手持ちカメラで前から引っ張りでとても力強く収める。表現の仕方がアレかもしれないが、生命の力強さを真っ向から感じた。あの体でここまで動けるのだという感動と、拭いきれない手足への違和感が同時に観客へと乙武さん自身がカメラに向かって襲ってくるのだ。圧倒的な映像に俺は物凄く興奮していたのだが、それを観た後ろの女の子が静かな劇場で一言

「きもちわるい」

と言い放ったのだ。きっと親に向かって言ったんだろうか。その瞬間鳥肌が立ちまくった。女の子の思わず漏れてしまった「きもちわるい」の一言を聞き、「あ、この映画は成功したんだ」と確信した。

 

そんな映像が不意に襲ってくるこの映画。なのに、作品全体は平凡で単純だし、どうも大きな力を感じずにはいられない。監督と乙武さんはもっと表現したいことがあったのではないだろうか。榮倉奈々のギャラは何とか違う方向へ使うことは出来なかったのだろうか。なぜ学校をけいおん!と同じ学校にしたのだろうか。謎は深まるばかりだが、一見の価値アリとはこの映画のことを言うのではないだろうか?

少しでも気になるなら、是非観ていただきたい。

 

乙武さんが言う「誰にでも出来ること、出来ないことがある」の重さはハンパない。授業では太一が黒板に文字を書くのだが、コレがまた下手くそ。でも、乙武さんが手とアゴにボールペンを挟んで書く字が信じられないほど上手いのだ。この対比はそう観れるもんじゃない。

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やっぱり下手くそな字だ!それがいい。だいじょうぶ、だいじょうぶ。