-オナルプスの手違い-

映画の感想やら日記やら告知やら。基本的にネタバレなし。

逆さまボーイと逆さまガールがミーツする『サカサマのパテマ』

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監督:吉浦康裕

 

『イヴの時間』の吉浦康裕監督の新作映画。

 

イヴの時間路線を期待していくとガッカリするかも知れないが、小難しい設定もなく気楽に楽しめるオリジナルアニメーション映画となっている。

 

とにかく"空に落ちる"という恐怖をよく描いており、そこにはズルをしないという徹底的な逆さま描写を見せてくれる。全体的にテンポが緩やかだったのは少し気になったが、少年少女の触れ合いがとても清く美しいので許す。怖いものは美しい、その逆もまた真なりという具合で、空が物語の鍵になる。

互いが支え合わないと生きていけないというストレートなメッセージもさることながら、科学への探究心が起こした災害により規律戒律が信仰レベルまで達してしまうディストピアもあるのでSF映画の定番を抑えているのも良し。逆に、この映画ならではというものが少ないのも事実である。

 

今年は世界が反対の映画が三本あり、一つは『第9地区』のニールブロムカンプ監督エリジウム、設定が似ている『アップサイドダウン 重力の恋人』、そしてこの『サカサマのパテマ』である。この三作品は設定が全然違うのだが、反対世界に運命を左右されるという点で宣伝も似たようなことになってしまった。

アップサイドダウンは正直トンデモ映画のラブストーリーだが映像綺麗、こっちは中々逆さま描写をこだわったけど特徴が薄れた感がある。どっちもどっちだが、ボーイ・ミーツ・ガールを描いたパテマの方が俺は好きだ!

 

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パテマ姫のおてんば姫っぷりは良かった。エウレカとは全然ちがう!