-オナルプスの手違い-

映画の感想やら日記やら告知やら。基本的にネタバレなし。

執念の画力の結集だが・・・『かぐや姫の物語』

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監督:高畑勲

 

俺がこの映画に期待していたのはなんだろう。あの奇跡のようなパワーを持つ予告編から、これで物語が面白かったら世紀の傑作になる!と思っていたのだが、正直原作が竹取物語である以上、もうそこはそこでそれなのだ。

 

この映画を語る際にはこの映像美は切り離せない。時折挟む情景カット、物撮りなど、高畑勲炸裂の観察力で語る虫や草花の躍動感が凄まじい。人間の動きも、無駄を取り入れて見事に人間臭さを出している。そして、生命を感じる表情の変化、スピード感はたまらなかった。

ここからはストーリー、というか演出になるのだろうか。竹取物語はやっぱり竹取物語で、もうソレ以上の何ものでも無かった。そこに期待したのが間違いだったし、そりゃそうかって感じ。確かに物凄いものを観た感じはするが、世紀の傑作とは全く思わない。

俺の中では、風立ちぬの圧勝です。