-オナルプスの手違い-

映画の感想やら日記やら告知やら。基本的にネタバレなし。

オズ はじまりの戦い

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監督:サム・ライミ

 

死霊のはらわた』から三十年が経ち、スパイダーマンシリーズを撮り、傑作『スペル』を撮り、サム・ライミ監督がついにディズニー映画を撮るようになり・・・そんな歴史をちょこちょこ感じさせるこの『オズ はじまりの戦い』はサム・ライミ史上最も一般受けするであろう気軽な映画に仕上がっていた。

 

ストーリーは至って普通で、むしろこの手の映画ではストレートな物語こそ観客に安心して見せてくれた方が俺は好きなので良かった。それを小気味良く演出で斬新に見せるから古典はいいのだ。クソ映画である『アリス・イン・ワンダーランド』はそれを完全に間違った方向へ突き進んでしまったためあんな結果になってしまった。

主役のオズを演じるジェームズ・フランコはもう何の心配もすることない素晴らしい演技を見せてくる。今回は猿の相棒がいるので、傑作『猿の惑星 創世記』を思い出さずにはいられない。テッドで一躍人気になったミラ・クニスがちょっとムッチリでそれもいい。レイチェル・ワイズもキレイ。それよりも陶器の女の子がかわいくて仕方ない。ロリコンじゃないよ。

 

サム・ライミ監督初の3D映画ということで、これでもかと見せてくる素敵な3D演出は是非映画館で。正直俺はライフオブパイより楽しめた。3Dはアトラクション的な使い方が好きなので。ワンカット長回しの3Dも素晴らしいし、何よりもサム・ライミ映画定番のオープニングが3Dでさらにパワーアップしていた。近年のベスト3D。

序盤は予告編のとおり4:3の白黒映画なんだけど、これがまた良い。アーティストみたいな嫌味に感じさせないのは衣装やメイクを白黒時代にしていないからだろう。火やホコリがフレームをはみ出す演出も3D映画を存分に活かしている。監督の遊びが見える素晴らしい瞬間。

音楽はダニーエルフマン。スパイダーマン2サム・ライミと喧嘩したらしいけど今回ので仲直りしたのかな。シザー・ハンズ的なコーラスが入った音楽もあったし、チャーリーとチョコレート工場のウンパルンパ的なのもあったし、スパイダーマンのヒーロー的なのもあったし。こういうクドいファンタジー映画じゃないとダニーエルフマンの楽曲は活きないよなあ。ダークマンの音楽も好きだけどね!

 

グリーンゴブリンを思いっきり意識したカットは笑った。まんまだもの。ウィレム・デフォー呼べばよかったのに。ライオンもカカシも出てきたし。あ、僕は恥ずかしながら『オズの魔法使』観てません。近日中に観ます。

3D吹替で観たのですが、やはり吹替は吹替で・・・。男性メンバーはよかったんですが、魔女たちの声優さんはもう少し頑張ってほしかったですね。叫べない声優さんはだめっすよ。

 

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かわいい陶器のお嬢さん。不幸も色々ある。足も家族も。人間の足は接着剤じゃあくっつかない。魔法が必要だ!