ダイ・ハード/ラスト・デイ
監督:ジョン・ムーア
大人気&大ヒットシリーズ『ダイ・ハード』の最新作。世界一不運な男、ジョン・マクレーンの血と汗と頭が眩しい素敵なシリーズだが、遂にこのシリーズにも駄作が生まれてしまった。それがこの『ダイ・ハード/ラスト・デイ』である。
アクション映画で一番気をつけなければいけないのは、何のためにそのアクションをしているのか。その動機とアクションがマッチングしたとき最高の映画になる。主人公の欲望がシンプルであればあるほどアクションを派手にすることで"何も考えずに楽しめる映画"というのが生まれるのである。
そこに色んな要素を肉付けしていって他の作品と差を出していくわけだが、この映画は動機が一切不明。故に、全くついてけない。ついていけないのに派手なことするから余計に引いて観てしまう。主人公がアホにみえたらダメな映画でしょ、コレは。最悪でした。
序盤から「コレはやばいな・・・」と思ったのは、大スクリーンで観ることをわかってない様な顔のヨリの連続カットバック。テレビドラマ撮ってんのかと言わんばかりの画にげんなり。なので、ここぞという台詞のときにアップになっても何も差がつかないので役者の演技を完全に殺してる。周りが見えないから状況も伝わりにくいし、なにより編集がとてもガチャガチャに見えてしまうので目が疲れる。
特に最悪だなと思ったのは、シリーズへの愛が全く足りていないこと。前回の4.0はシリーズがあったからこそジョン・マクレーンの娘という人物を使って物語を展開するという観客へのサービス。今回はそれの二番煎じだから、根本的にそれ以上の物を用意しないといけないはず。それなのに、息子を全く意外性のない人物にしちゃったからもう観てられないですよ。アレは。
途中のネタもそうだし、最後もそう。あれはだめよ、最後は。いつもの定番があるでしょ?シリーズものを作るってのはそういうことなんだと思います。
予告編で期待させといたコイツはなんだったんだ。
予告サギの極みだよこの映画!