-オナルプスの手違い-

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燃え尽き症候群注意!大傑作『パシフィック・リム』!

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監督:ギレルモ・デル・トロ

 

三回観ちゃいました。一回目はIMAX字幕、二回目は2D字幕、三回目は3D吹替で。

間違いなくIMAX字幕が最強。もはや鑑賞ではない、これは体験なのです。

 

俺はそもそもロボットや怪獣は好きだけど、日本の特撮文化には詳しい訳ではないし、ただデカいしカッコイイからなノリで好きなわけだけど。今回そんな要素よりも、敬愛する、尊敬するギレルモ・デル・トロ監督の最新作ということに大きな意味があるのです。

デル・トロ監督のこれまでの実績と今の時代が絶妙なタイミングで作用して生まれたこの映画。

 

パシフィックリムの構成はかなり大胆でシンプル。普通の映画で言う起承転結に当てはめると、開始5分で起承が終わり、激アツ要素しか残ってない転結をお祭り騒ぎでたっぷり描く。その大胆さを補う極め細かく設定されたネーミングやガジェット等のセンスにデル・トロらしさが詰まっているのだ。ロボットや特撮好きのために作った、ただの熱いアホ映画じゃないことが分かる。

さらに、日本で特撮文化を推すと"特撮の味"とかが取り上げられるが、このパシフィックリムはその味は一切無い。ただ、ソレへのリスペクトを完全に昇華出来ているのが凄いところ。CGだから、今だからこそコレをやっているんだよ!っていう嫌らしさなんて無し。

デル・トロらしさが薄いという意見は分かる。それは全体のテーマがいつものデル・トロ作品とは違うんだけど、それをデル・トロは完全に割りきってるからこそ違うところでたくさんデル・トロの特徴を見ることが出来る。例えば香港の怪獣屋を探しに行く時の街並みなんてモロにヘルボーイ2ゴールデンアーミーの悪魔の街だし、ナイトシーンで青白い液体を吐きながら戦うのも一緒。寒色と暖色の色の使い方もデル・トロムービーの定番。

 

そんなこんなでやっぱり大傑作な訳です。ここまで偏った作品だからこそ色んな意見が出てぶつかったりするし、熱狂しまくる人が出てるのが面白い。そんな映画がやっぱり好き。鑑賞じゃなく体験、そんな自分の映画の原点を思い出させてくれるような映画体験をさせてくれたギレルモ・デル・トロ監督に感謝。パシフィックリムに影響された映画人として頑張らねばと自分を奮い立たせる次第であります。